2012年02月14日
アルバム

変わらない思いを
変わらない笑顔を
色褪せても
翳む事の無いあの日を
輝かしいあの時を
記憶に刻んで
変わらない笑顔を
色褪せても
翳む事の無いあの日を
輝かしいあの時を
記憶に刻んで
父が一人暮らしを始めてそろそろ2ヶ月が経つ。
子供が知らない夫婦の事情とはあるもので、いつの間にか二人の間には深い溝が出来ていたらしい。
説得も虚しく、長い夫婦生活は幕を閉じた。
家族が離れてしまうのは悲しい。
父と母。
どちらかの味方につくことはしなかったし、常に中立でいた。
母が悪くても、父が悪くても、どちらも私は責めなかった。
私はただ、二人一緒にいて欲しかった。
いつまでも、私の帰る場所に二人でいてほしかった。
父の新しい部屋は、うちから5分と少し歩いたところにある。
自転車なら5分で行って帰ってこれる。
「洗濯機と冷蔵庫がねぇんだ」
初めて新居に行ったとき、父が笑って言っていた。
あれから2ヶ月、未だに父の部屋には冷蔵庫も洗濯機もない。
週に1~2回、父から電話がかかってくるようになった。
「洗濯、頼めねぇかな?それから、なんか…なんでもいいんだ、食うもん買ってきてくれ」
「お父さん、毎日買って食べてるの?」
「作れねぇからな…」
照れ臭そうに、寂しそうに笑った。
「一人で食う飯は不味いんだ。俺ぁ知らなかったなぁ…」
お酒が大好きな父。
飲むと饒舌になる。
説教臭くなり、涙もろくなる。
顔を茹蛸のように真っ赤にしながら、同じことを何度も話す。
酔っ払うとなぜかクシャミを連発する。
ひとしきり飲んでクダをまいて鼾をかいて眠る。
そんな父がポツリと呟いた。
私は「大丈夫だよ」と一言だけ返した。
父の洗濯物を洗いながら思う。
一人はなんて苦しいんだろう…。
先日、洗濯物を取りにいつものように父の部屋に向かった。
玄関を開けると、とても小さくなってしまった父の背中があった。
部屋に入るとすぐ、右手側に小さな本棚がある。
買いためてあるカップラーメンに紛れた、古いアルバム。
広げてみると、白黒の、若い父の姿があった。
私は、父によく似ていたんだと知った。
「お父さん、目…垂れてるね」
「お前の目は俺に似たんだ」
父の若い頃の話を長い時間をかけてきいた。
ジュリーに憧れて髪を伸ばしていたこと。
ビートルズが好きで、赤いセーターを買ったこと。
初めて乗ったバイクはカブだったこと。
本当は双子で、お姉さんは小さいときに亡くなっていたこと…
「こんなの、あったんだね、知らなかった…」
「俺も忘れてた。見る機会なんてなかったしなぁ」
「あたしたちの小さいときの写真はないの?」
「さぁなぁ…あいつが持って行ったんじゃねーか?」
父はそれ以上、何も話さなくなった。
唯一残っていた15,6年前の旅行写真だけもらって帰ることにした。
そこには、ぶくぶくに太った私とぶくぶくに太った妹とぶくぶくに太った母と、チンピラのような父がいた。
年月は残酷に、人を変えていく。
衰えさせ、劣化させ、傲慢にさせていく。
弱くさせ、臆病にさせる。
父が‘あいつ’と呼んだのには、どんな理由と気持ちがあったんだろう。
「母さん」と呼ばなくなった父の心の変化を私は未だに知らない。
私が見たアルバムの中の父は、この先例えば父が死んでも、同じ笑顔で居続ける。
「お父さんの写真、幾つかもらって行っていいかな?」
「何すんだ?」
「んー…あたしのデータん中にしまっとく。」
パソコンもデジタルカメラもない時代。
父が生きた時代。
父の写真をもらうつもりで、私はカメラを構えた。
父の思い出をわけてもらった。
「お前だけは幸せになれ。もう頑張らんでいい。お前はよくやってくれた」
帰り際、父の声は、心細いのを我慢しているようだった。
「大丈夫。また来るから。」
父は、なんて強くて、弱いんだろう。
こんなに愛に溢れた男で良かった。
私はこの上なくファザコンなんだと思った。
貴方の遺影はぜひ、私の手で撮らせておくれ。
今までよりも男前に、優しい笑顔の貴方を撮る自信があるよ。
「女だからしょうがねぇよ」「そうだよねぇ」
どこまでも~か~ぎり~なく~~
田舎に泊まろう
Rock'n Roll Night
7歳にしちゃ赤ちゃんぽいな・・・。
空中ブランコの人の衣装は体操の選手みたいだったぉ。
どこまでも~か~ぎり~なく~~
田舎に泊まろう
Rock'n Roll Night
7歳にしちゃ赤ちゃんぽいな・・・。
空中ブランコの人の衣装は体操の選手みたいだったぉ。
Posted by NOR at 03:12│Comments(2)
│話
この記事へのコメント
やっぱり、子供にとって父母は、いつまでも一緒にいて欲しいものなんだよ。
どんなカタチであろうと、ただ一緒にいて欲しかったと。
素敵な父子で・・・良いと思います♪
どんなカタチであろうと、ただ一緒にいて欲しかったと。
素敵な父子で・・・良いと思います♪
Posted by T at 2012年02月15日 00:05
>T殿
いやぁ、正に親子…というくらいに似てたんですけど…T殿んとこには負けますなwww
歳を負う毎に、身内を大切にしたいという気持ちが高まってくるような気がします。
身内というより、人間を…かな。
いやぁ、正に親子…というくらいに似てたんですけど…T殿んとこには負けますなwww
歳を負う毎に、身内を大切にしたいという気持ちが高まってくるような気がします。
身内というより、人間を…かな。
Posted by NOR
at 2012年02月15日 08:33

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