NORの目に映る世界。 NORというフィルターを通すと、こんな風になってしまうんです。 子供の頃は、汚い街だと思ってた。 大人になって、儚い街だと気がついた。 それならいっそ、浮かれて暮らそうじゃないか。 無情な現を嘆きながら。

2013年01月31日

The Old Dog





待つしかしねぇんだ
待つ事しかできねぇ


待ってりゃ
向こうから来るもんさ
縁ってのは

不思議なもんでな・・・










『老いぼれ犬』
そう呼ばれた男がいた。
口笛を吹き、待つ男。
『老犬トレー』
男が吹く口笛。
何の特徴も無い、ただただ静かな曲。
その口笛に追われ、何人もの屈強な男達が膝を折っていった。
老いぼれ犬が暴く闇は、時に濃く、深く、どろどろとした欲望にへばり付いている・・・。





やってきました!
ハードボイルド代表北方謙三氏。
ザ・ハードボイルド。
ハードボイルドと言えばこの男。



「何読んでるの?」

「北方謙三」

「の、何?」

「いつか友よ」

「おおおおいぃいぃwwwwそりゃダメだよ!そりゃ一番最後だよ!!違うよ!!」

「ちょwな、なにwwwwどうしたのw」



引越しの際に持ってきた自分の小説は、開かなくても一言一句思い出せるほど読み込んでしまった為、相方の所有物である北方謙三氏の小説へ手を伸ばしてみました。

しかしチョイスが悪かった模様ww

シリーズものの最終巻をいきなり読んでしまったようで、相方にオススメを選別してもらいました。


「この中にね、共通して高樹っていう刑事が出てくるんだけど、俺その人が好きなの。老犬シリーズを読んでもらうための、この選別だからね?」

「はいwwわかりましたw」


高樹刑事、ゴリ押しですこの人www




最初の高樹刑事のイメージは、特に何もありませんでした。
ちょい役刑事くらいにしか思いません。
しかし彼が出てくる小説を読み進めると、彼の言動が不思議と頭にこびり付いて来るのです。
耳や頭にまとわりつくような口笛。
不可思議な手錠の扱い。
喉に詰まるようなゴロワーズの香り。
火付きの悪いロンソン。
一見、毒にも蜜にもならないような男に降伏していく犯罪者達。
そして、人間の精神を破壊していくような拷問の手口。




13歳。戦後闇市で唯一人の親友と共に、野獣のように生きた『傷痕』
27歳。刑事として順調に歩む中、一つの殺人事件が高樹を過去へと引き戻す『風葬』
56歳。定年間近、因縁と言う大きくも悲しい現実が高樹を闇へ突き落とす『望郷』

『老いぼれ犬』と呼ばれた敏腕刑事高樹良文の原点がここに。





脇役であった高樹刑事が密かな人気を呼び、後付ではあるものの実に秀逸な作品となっています。
これを読めばあなたも高樹刑事のファンになること間違いなし!
『老犬トレー』覚えたくなりましたww


ハードボイルド刑事高樹良文の、華麗な生き様をとくとご覧あれ。  


Posted by NOR at 19:42Comments(0)

2013年01月10日

身を守る盾となり、刃となれ。





忘れやしない
忘れる事なんか出来やしない

運命だから

忘れられない事が
僕の運命だった










手に入ってから、栞用の紐がボッソボソになるまで読み耽った一冊。
ハードカバーで大き目の本ですが、読み始めると止まらなくて3~4日で読破します。
最近、本を読むスピードが上がってきたように感じます。


さて、この『The Book』という本。
NORが大好きな乙一さんの作品ですが、某有名漫画とコラボってるんです。

『ジョジョの奇妙な冒険』ってご存知ですか?
巷で有名な、"サイボーグ荒木飛呂彦"の漫画です。
荒木飛呂彦、見た目と年齢のギャップが激しすぎて、なんかもう・・・ねw
サイボーグと言う名がふさわしいのではないかとw

詳細は、グーグルトップで「荒木飛呂彦 年齢 画像」で検索&クリック♪



この本はねー、説明がねー、難しいんですよねー。
なんつーか、超能力?を登場人物たちが持ってるんですよねー。
超能力ともちょっと違うんだけども・・・こればっかりは、「ジョジョを読んで理解してくれ!」としか言いようがないわけなんですねー。
ちなみにNORは、ジョジョの奇妙な冒険を知らずにこのお話を読みましたので、小説自体はジョジョを知らなくても楽しめる感じではあるんですけどねー。
知ってればなお良し!みたいな。




舞台は、ジョジョの奇妙な冒険第4部の杜王町で繰り広げられます。
登場人物にはそれぞれ奇妙な能力が備わっていて、自由自在にその能力を操る事が出来るのです。
彼らはその能力を「スタンド」と呼び、能力が備わっている人間達を自分も含め「スタンド使い」と呼びます。
そして彼らは自分達の持つ「スタンド」に、それぞれの能力に適した名前をつけるのです。

『The Book』もその名の一つ。
主人公"蓮見琢磨"の持つスタンド『The Book』
誰にも見えない革表紙の本。
蓮見琢磨の記憶。
生まれる前の、細胞にすらなりえない頃からの、記憶。

この世に産み落とされ、蓮見自身が見、聴き、話し、思い、体験し、経験してきた全ての出来事が革表紙1ページごとに、小説のように書き記されていく・・・。
その能力に彼は『The Book』と名付けたのです。





革表紙の本に記された、母親の死の真相。
母親を死に追いやった男の影。
"忘れる事が出来ない"という悲運を背負った彼。
彼の歩む道に、"幸せ"の二文字は無く、ただただ復讐を誓うだけの日々。
そんな復讐心に追い立てられ、いくつもの罪を犯す。
彼は復讐を果たす事が出来るのか。
そして、彼の前に現れる「スタンド使い」達との戦い。
負ければ、死が待っている。
最後に生き残るのは、誰なのか・・・。




ここまで書くのに1時間もかけてしまったww
いつもみたいに、掻い摘んで説明・・・が出来ないよぅ。
多分、読みすぎたんだなww
読みすぎて、ガッツリ説明したくなっちゃうんだなw

NORの一押し本『The Book』
興味のある方は、アマゾンでどうぞ♪










もしも人類史上、究極の小説があったとしたら・・・
その小説で、人を殺せるかもしれない・・・。  


Posted by NOR at 16:59Comments(0)

2012年10月16日

死を生き通す。





死んだのか
そうでないのか
そんな事はどうでも良かった

ただ一つ
伝説だけを残し
それだけは生き続けるのだ









フォト記事を復活させました。
ようやくです。
お待たせしました(ぇ

かつてKING OF ROCK'N' ROLLと呼ばれ、絶大な人気を誇っていたエルビスプレスリー。
彼の死は、世界中の老若男女に衝撃と混乱を与えた。
著者は言う。

『彼は、アメリカそのものだったのかもしれない』

その言葉通り、メディアは突然のキング訃報にも関わらず直後特番を組み、ラジオ局も飽くことなくエルビスの曲を流し続けたという。
レコード店では彼のレコードは売り尽くされ、空も陸もメンフィスへ向かう人々で埋め尽くされた。
そして今も尚、伝説は語り継がれ生き続けている。
それほどまでに人々に愛され慕われたキングの死。
果たしてそれは真実なのだろうか・・・。





エルビス、実は生きてたって知ってました?
あたしは知りませんでしたけどw

棺の中の彼は別人だったとか、蝋人形のようだったとか、奥さんと娘と一緒にショッピングをしていたとか、ジャンクフードを買い漁っていたとかww
死の直後から実しやかに囁かれていた"エルビス生存説"

『擬装死』を図ったキング。

彼は一体何に苦しみ、何を悟ったのか。
なぜ彼は、エルビスプレスリーを殺したのか。


「彼は生きていた」と信じざるを得ない事実をその目で確かめてみてください。














今更?!wwwwww
と笑った貴方は3時間正座してなさい。  


Posted by NOR at 20:29Comments(0)

2012年05月09日

Calling You





遠く離れた君と
言葉を交わせるとしたら
まず最初に言うことは決まっている


君の名前を
呼ぶに決まっている










彼女の頭の中には携帯電話が存在している。
もちろん、彼女自身が創り上げた、妄想でしかないのだけど。
白くて丸くてなめらかな手触りの携帯電話を彼女はとても気に入り、毎日頭の中で撫でていた。
誰にも知られることは無く、かかってくることの無い携帯電話を彼女は大切に扱った。
バスの中で携帯電話の呼び出し音が鳴り響く。
聴き覚えのある曲。
乗客の誰一人として、携帯をいじる様子は無い。
それもそのはず。
鳴っているのは彼女の頭の中だけ。
携帯を開き、受話ボタンを押す様を想像する。
『もしもし…』
聞こえてきたのは青年の声だった。
見えない電話で見知らぬ相手と繋がった彼女がとった行動は…?


乙一著者「失はれる物語」に収録された「Calling You」
映画「きみにしか聞こえない」の原作となった短編小説です。
大好きなお話の一つで、これが読みたくてこの短編集を買ったと言っても過言ではありません。
もちろん原作を読んだ後、映画も観ました。
どちらも好きです。
非現実的な出来事と出会った少女の恋心や精神面での成長などが描かれていて、読んでいてとても切なくなります。

その他にも「幸せは子猫のかたち」「傷~KIDS~」など、今までの乙一作品とは一味違う甘酸っぱ切ないお話がいくつも収録されていて一気に読めてしまう一冊だと思います。
「傷~KIDS~」に関しては、これも映画になっています。
まだ観ていないのでネタバレコメントはご遠慮くださいwww




でも~…お高いんでしょう?

そう!これだけ入って気になるのはお値段ですよね!
そんな方に朗報です!
今ならなんと!この一冊、600円を切りました!
590円(定価)でご用意させていただきます!

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夜中のテレビショッピングとか、胡散臭くて大好きwwww

  


Posted by NOR at 05:20Comments(0)

2012年04月24日

にわかファン





わたしがすきなもの
それはかぎられていて
かたよっている


しかしそれをあなたは
たったひとこと

おもしろい

といってくれた

わたしはよりいっそう
それをすきになった











子供の頃から活字が苦手で、本なんて片手で足りるほどしか読んできていない。
3ページ読んでは休憩し、また1ページ読んでは本を閉じ、たった一冊の文庫本でさえ最後のページに到達することなくホコリを被る。
時には無くす。
かっこつけて喫茶店などに持ち込んでは見るものの、ドリンクを飲みながら読書なんてことは27年生きてきてしたことがない。

人間の言葉を発し、人間の眼球を鋭い嘴で啄ばみ、盲目の少女へそれを届ける、恐ろしくも哀しい鴉に出逢うまでは…。



いくら探しても見当たらないの。
どこかその辺りに、私の左眼が落ちているはずなんですけど…。
眼球があるはずの場所から顎にかけて、顔に血が伝う。
その直後に私は倒れこみ、気を失った。


~乙一「暗黒童話」より抜粋~



漆黒の鴉が目玉を咥え、幼い少女に近づく表紙に目を奪われ衝動買いした本が、乙一作「暗黒童話」
あたしが初めて購入した、記念すべき第一冊目である。
描写は少々気味が悪く、しかし読むことを止められなかった。
文庫本とはいえ、読書と無縁だったあたしが、3日で読み終えるという偉業を成し遂げた(大袈裟

それからと言うもの、乙一シリーズを探しては読み漁り、とうとうあたしの部屋に本棚と呼ばれるものが出来上がった。


そしてなぜ上の写真に「暗黒童話」が写っていないのかと言えば、答えは簡単。
再読しているため、寝室に置きっぱなし。
取りに行くのが面倒だったからです。

本棚から引っ張り出したお気に入りの4冊は全て乙一さんの作品です。
最新購入は、「失はれる物語」
デビュー作は「夏と花火と私の死体」
特にゴリ押ししたい作品は「暗いところで待ち合わせ」
ちょっとコミカルでクスッときちゃう「平面いぬ」

どれもこれも短編集になっていて、読み飽きることが無い。
飽き性、3日坊主のあたしにはぴったりの本である。


これの他にも、随分探し回って最近ようやく手に入れた「The Book」と言うのもあるが、これは特別思い入れがあるのでまた後日更新予定。



あたしの読書ブームはまだまだ先が長そうです。  


Posted by NOR at 23:17Comments(0)